第2章 クレジットカード業界の発展
〜世界初のクレジットカード会社ダイナーズクラブ〜
世界初のクレジットカードは、1950年にアメリカで誕生しました。現在でも有名なダイナーズクラブです。そのきっかけは、フランク・マクナマラという金融会社に勤める紳士がレストランで食事をした際に財布を忘れ、とても恥ずかしい思いをしたことで、現金を持たずとも食事が出切る便利な仕組みはないかと考え、数名で相談した結果、ツケで食事ができるようなシステムを作ろうということになり、お金を出しあってクラブを立ち上げました。それがダイナーズクラブです。
ダイナーズクラブは、富裕層にターゲットを絞ったステータスの高いものとし、娯楽や仕事にも役立つ便利なものにする、そして利用した正確な記録を会員に提供することを目的に展開していきました。当時、ゴールドカードというものはありませんでしたが、クレジットカードそのものが珍しく、富裕層にターゲットを絞って展開していた事から、その存在自体が現在でいうところのゴールドカードのようなステータスを有していたのかもしれません。
ダイナーズクラブは創業一年目こそ赤字であったものの、年会費徴収を始めてからは黒字に転じ、その後フランチャイズ方式を採用し世界的な発展を遂げ、現在に至っています。ダイナーズクラブが出来てからというもの、大手銀行や、VISAの前身であるバンカメリカカード(バンク・オブ・アメリカ)、Masterカードの前身であるマスターチャージなど、多くの企業がこぞってクレジットカード業界へ参入し、その数は増大しました。その後は、VISA、Masterの2大銀行と、ダイナーズクラブ、それにアメリカンエキスプレス、カルテブランシュが加わり、競争を展開するようになっていきました。
〜世界初のゴールドカード〜
そして、1972年カルテブランシュから初のゴールドカードが発行されます。誕生当初は、富裕層をターゲットとし発行されていたクレジットカードも、競争が加速してゆき、広く普及してゆく中で、より一般向けに、より庶民向けに発行されるようになっていきました。そして、クレジットカードは庶民的なイメージが定着した為、新たに富裕層向けの商品としてゴールドカードが生み出されたのではないかと思われます。その後、10年間にわたって、アメリカン・エキスプレス、VISA、Masterが続々とゴールドカードを発行しました。
〜日本初のゴールドカード〜
日本で最初にゴールドカードが登場したのは1980年(昭和55年)アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが発行した「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」によってその歴史は始まりました。勇猛なセンチュリオンがカード中央に描かれた、とても上品な気品とオーラが漂う金色のカードは、当時から高いステータスを感じさせ大きなインパクトを与えました。
バブル時代、ゴールドカードは上場企業の部長クラス以上の方が持つ事の出来るカードとして脚光を浴び、当時からそのステータスは誰もが認め、注目されてきました。現在ではヤングゴールドカードや、年会費無料のゴールドカードなどが登場し種類も増えたため、ある程度の年収と信用のある人であればゴールドカードを所持できるようになりました。
その代表格が、シティエリートカードやイオンゴールドカードでしょう。
バブル当時に比べるとゴールドカードを所持する為のハードルはかなり低くなったといえるのではないでしょうか。それにより、近頃はゴールドカードのステータスは維持しつつも、各クレジットカード会社間では、サービスの内容によって競う傾向にあるようです。
例えば、GE Moneyなどは、日本に初めて華々しくデビューしたアメリカン・エキスプレスカードとの提携カードを発行して独自スタイルを維持しつつもアメリカン・エキスプレスブランドを織り合わせることで新たな付加価値が生まれるカードを確立させてきました。GE Moneyゴールド・アメリカン・エキスプレスがその具体例です。
最近では、電子マネーや、家族カード、航空会社のマイレージ、ポイントプログラムなどサービスも多様化し、クレジットカードの便利さは、誕生当初とは比較にならないほどに充実しています。特にゴールドカードは一般カードよりもそのサービス面が充実している為、ある一定の基準さえ満たしていれば、一般カードよりもゴールドカードを持っていた方がいい、と考える人も増えたのではないでしょうか。
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